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武田先生と大川探訪へ


 8月24日(火)、昨夜は5時間余り飲んでいたからよく眠ったようだ。もう5時ごろは武田先生は庭としたの畑の水撒きをしていた。7時過ぎに起きてTVを点ける。天気予報はまずまずだが、今日も暑くなりそうだ。8時過ぎに先生がつくった茄子の味噌汁と納豆で朝食をいただく。ご飯がおいしい。七部搗きの米に麦を入れたあるようだ。先生は若いころからアフリカや辺地や島へ長期の調査へ出掛けているから、自炊には慣れていて単身赴任もへっちゃらなのだ。奥様はお盆で沖縄に里帰り中のようだ。9時半ごろ出て途中建築GメンのMさん宅に寄ってトルコ土産のオリーブ石鹸を渡してから大川へ向かう。今日も日差しが強そうだ。11時少し前に先生の知り合いでヴォランティアーガイドをしている三宅さんがいる「大川観光情報センター」へ行く。イタリアのある都市と姉妹都市になったのを記念して建てられた中庭がある瀟洒な建物の1階に事務所はあった。
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 先ず午前中は工房巡りをすることになり、三宅さんが運転する観光センターのワンボックスの軽でゆくことに。武田先生が気に入っている西田先生は配達で福岡へ行っていて留守だというので、同じような創作家具をつくっている江頭良助さんの工房を訪ねた。二階の広い展示室に案内される。クスやナラなどでつくったオブジェや椅子やテーブル、箪笥などが並んでいた。値段も3万円くらいからあり何とか手が届きそうなものもあった。鹿島移住がきまったら記念に椅子かオブジェを一つ購入しよう。2軒目は木彫工芸・大川一刀彫の岳野博昭さんの工房を訪ねた。この道50年の温厚な方で長崎県西海市出身だそうだ。中学校を出てから欄間彫りの修行に大川にきて、その後独立して欄間や木彫、創作家具つくりなど幅広い活動をしているようである。勉強家で佐賀大学にも勉強に通ったそうで、今では日展の会友でもある。かなり年季が入った丸太の上に水車の歯車が載せてあったから、下の丸太は何だろうと思って尋ねたら「以前製材所から貰って来たものだが、チーク材だそうで、穴が開けられていて板を鋸でわくときは入らない部分なので切って捨てていたらしいのだ。その穴はチーク材を切りだすときに象に曳かせたのでロープやチェインを通すために開けた穴だそうだ。昔は製材所に行けばそのような銘木の端材が結構うち捨てられていたらしい。以前は弟子を何人もとっていたが、今は短期間造形短大などを出た若い人が勉強にきているが、何事もそうだがセンスがないとものにならないと。

 正午を回ったので美味しいカレーの店へ三宅さんが案内するというので期待して行ってみると、もとJAの集荷場として使われたこともあるという広いスぺースが満席状態だったのには驚いた。今や福岡県内にも知れ渡っていて土日は行列が出来ることもあると。3人ともナンとカレーのセットを注文する。40年前の夏のアフガンでの登山活動を思い出した。街や田舎のチャイハナでは、昼食はたいていナンと紅茶とヨーグルトだった。カレーがつけば最高の御馳走だ。中辛のトマトベースのチキンカレーは食べやすかった。ナンもボリュームがあって腹一杯になった。ここは武田先生の奢りだった。大川の市街地から少し離れているが湾岸道路を使えば意外と近い。店の名前は”アジアンキッチン・タージ”。値段も800円から1200円、リーズナブルだ。

 久しぶりに美味しいナンとカレーに満足して、古い街並みが残る榎津・小保地区へ引き返し、車を駐車場に入れてあとは歩いて回ることに。午後1時を過ぎると日差しが強くなってくる。つばが広いハットを被っていたので何とか耐えられた。先ず国指定重要文化財の旧吉原家住宅を見学する。立派な門構えの武家屋敷だ。文政8年(1825)に建てられ、藩の公用に使われたと言われている貴重な建物だ。平成4年に半解体修理で保存修理工事を行い、翌年には福岡県指定の文化財に指定され、平成11年には国の重要文化財に指定されている。武家の住居の形式の数寄屋造りとの農家の整型四間取りが混在したつくりであるが、太い良材を使い技術の粋をつくしたつくりになっていて素晴らしい。専任の解説者がいるので大変ありがたい。今も営業している森田漆店や庄分酢などを見学する。庄分酢は400年続く醸造元で、昔ながらの方法で醸造酢をつくっていた。店内と工場も見せてもらったが、甘酸っぱい独特の醸造酢のにほいが漂っていた。ここの店舗と住居も文化財に指定されているようだった。そのあと指し物工房を見学したが、凝った障子や戸の注文がときどきあるらしい。一刀彫の岳野さんが手掛けた欄間をはめ込んだ引き戸があったので、4枚並べて見せてもらったが溜息がでた。特注品だそうで相当高価なものと見受けた。この地域は久留米藩と柳川藩の境界だったところで、いろんな史跡も残っているようだった。

 この地域を鹿島市の浜地区の”肥前浜宿”のように「歴史的街並み保存地域」に指定する方向で運動を始めているようだが、その価値は十分あるとみた。写真の被写体は無限にあるようだから、再度挑戦したいところである。案内してくれたヴォランティアーガイドの三宅さんと別れてから、塗りなおされた昇開橋を撮って、木原マリーンを訪ねる。木原さんは船と油を扱っているのだが、観光エツ料理の船も運航していて、5月下旬から7月上旬は忙しい。また大川の町興しにも熱心で「大川・旅出しうなぎ(天然ウナギ)と川アンコウ(ナマズ)」を大川の名物にしようと仲間たちと頑張っている。以前試食会に武田先生と招かれたことがある。近じか試食会をやるから来ないかと言われたので、撮影を兼ねて参加することにするか。彼はハンターでもあるからシーズンになれば,鴨打ちやイノシシ打ちにも行くので、冬に寄ると鴨やイノシシ料理を食べさせてくれることもあるのだ。今年の冬を楽しみにしておこう。

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創作家具・江頭良介工房

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象に引かせたチーク材の端材

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一刀彫・岳野博昭工房

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アジアンキッチン・タージ

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旧吉原家住宅の内部

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太い梁・・・・br clear=all>

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森田うるし店の看板

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元つくり酒屋

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指しもの工房・高級引き戸

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庄分酢

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巨大な木の桶で発酵させている

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新装なった昇開橋

by kango416 | 2010-08-26 21:05


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